自己破産する前に確認しておくことや準備すること。
多額の借金を抱え、返済がままらないということから自己破産を考えることが多いですよね。読者のみなさまも借金で苦労しているのもみなさん共通です。
自己破産する前に確認しておくことや準備しておくことを紹介します。
自己破産する前に確認しておくこと
家族の同意
自己破産をするにあたって、家族の同意が重要です。というのも、自己破産申請をする場合、家計の状況を裁判所に報告する義務があります。家族の名前だけでなく、勤務先なども申告しなければならず、その上、裁判所からさらに情報を求められることもあります。そのため、家族の同意はしっかりと取るようにしましょう。
それに加え、家族には自己破産をする上で家族の住民票なども必要になってくるので、家族に迷惑をかけることは当然ですが、丁寧に理由を説明し、自己破産における手続きに協力を求めることも必要です。
連帯保証人について
連帯保証人を立てている債務がある場合は要注意です。というのも、債務者本人が自己破産をして債務が免責になっても、連帯保証人の借金は残ったままとなります。大抵の場合、家族が連帯保証人になっている場合も多いのですが、その場合、家族も破産申立をすることが多くなっています。
勤務先への対処
自己破産するにあたって、会社から雇用されている立場で自己破産する際には勤務先への通知なしに、自己破産申請が可能です。
ただし、自己破産する前に債権者への受任通知(弁護士が実施)が行われなければ、債権者から勤務先へ電話がかかることは回避できません。
また、いくつかの職業において、自己破産申請をすることに際して法律上、業務に就くことができないこともあるので、気をつけておきましょう。
経営者の立場としては
自分自身が経営者の場合、会社と同時に自己破産を原則としてします。自己破産で、会社にある財産は処分し換価され、債権者への返済に回されてしまうため、目安として20万円以上の財産は手放さなければならないと考えなければいけません。
それに加え、自己破産において破産管財人(裁判所から依頼を受けた弁護士)が付くことがほとんどで、会社の財務状況や、取引先、従業員の賃金の支払い状況などを調査し、換価できる財産があるか判断をします。
債権者の一覧
自己破産を考えている方は一社から借金をしているのではなく、何社も債務があることが大半だと思います。借金をして返済しているというパターンも考えられ、債権者一覧をまとめるのにはかなり時間と手間がかかりますが、これは絶対にしなければなりません。
債権者は、自宅にかかってくる電話や、郵送されてくる書類などを確認して行います。
自己破産するにあたって、債権者の申告漏れは厳禁ですので、めんどくさがらず丁寧にするようにしましょう。
所持財産について確認
自己破産は原則として借金の免除のために行われる裁判所での手続きのことを指します。というと、ある程度の価値のある財産(目安として20万円)は手放さなければなりません。
例えば、自宅などの建物。自己破産をすると持ち家・建物は処分しなければなりません。引越し代は裁判所は考慮してくれる場合がほとんどで、最小限の賃貸物件に引越しが必須です。
車も換価の対象です。仕事で使っている場合でも、20万円以下の価値がつかなければ、処分しなければなりません。
自己破産で準備すること
必要書類の用意
自己破産を裁判所に申し立てる際に以下の書類が必要となります。
- 破産申立書(免責申立表)
- 陳述書
- 債権者一覧表
- 財産目録
- 家計の状況(収支など)
- 住民票
- 戸籍謄本
- 給与明細書(過去2ヶ月分)
- 源泉徴収票(過去1ヶ月分)
- 市民税、県民税課税証明書
- 預金通帳の写し(過去2年分)
- 賃貸契約書のコピーもしくは不動産登記簿謄本
- 車検証のコピー
- 保険証券のコピー
ざっとこんな感じですが、自己破産をするにあたってどの書類も必須なので、必ず用意します。弁護士に依頼している場合は、弁護士の指示にしたがって書類を準備しましょう。
陳述書の記入
自己破産をする際に、裁判所に提出する書類の中に陳述書が含まれています。この陳述書は、自己破産に至った経緯や生活の様子、反省文、今後の生活に関する内容の記述が必要です。この陳述書に基づいて自己破産の手続きが進みます。
陳述書に記入する内容は正確に詳しく書くことが求められます。例えば、借金をした理由は「ギャンブルのため」だけでなく、「競馬するのに消費者金融から借り入れをしたが、払いきれなくなった」ということや、「生活苦のため、新幹線の回数券を金券ショップに持っていき、クレジットカードのショッピング枠を現金化していた」ということを、正確に具体的に書くことが重要です。
また、反省文や今後の生活に関する記載は、弁護士に依頼をしている場合、代筆をしてもらいましょう。個人で自己破産を申し立てる場合、免責を得るためにはかなり裁判官の心理を計算する必要があるので、必ず専門家に反省文などをチェックしてもらったほうが絶対に良いです。
財産目録について
財産目録では、自分が保有している現金・預貯金・不動産などそれぞれ財産の種類ごとに記入をします。
目安として、換価して20万円以上の財産は漏れのないように記載が必要です。マイカーなどは手放さければならない場合が大半だと思いますが、インターネットで掲載されている買取業者の簡単な査定額でいいので、記載します。
不動産も換価されるので、後から業者の細かい査定が行われますが、財産目録はまずは大まかな額の記載で大丈夫でしょう。
債権者一覧表について
自宅などに届いた書類などを正確に確認し、申告漏れのないようにしておきます。
債権者はほとんどの方はカード会社、消費者金融などが挙げられますが、個人から借り入れをした場合は、連絡先などを確認した上で記載しましょう。
預金通帳の写し
自己破産申立には、過去2年分の銀行口座の明細が必要になります。大手メガバンク、ゆうちょ銀行などで銀行口座取引で通帳を使うケースの場合、通帳のコピーで大丈夫です。
最近はネットバンクで通帳のない銀行もあると思いますが、その場合、ネットバンキングの画面の印刷をして提出するようにしましょう。ただ、プリンターがないなど事情がある場合には、銀行に連絡すると取引明細を送ってきてくれる場合もあります。
また、10万円単位で高額なお金が動いている場合、それの利用用途を説明できる資料(レシートなど)を添付しておくと、自己破産申立に優位な立場になれるでしょう。
保険証券のコピーについて
加入している保険はすべて申告が必要です。というのも、掛け捨て保険でないものは、解約すると解約返戻金が発生しますが、これの請求権も財産として認められます。
保険証券のコピーは漏れのないように用意しましょう。
車検証のコピー
マイカーを保有している場合、車検証のコピーを裁判所に提出します。
マイカーは裁判所から依頼を受けた業者の査定を受け、評価額が決定します。その資料の一部として車検証のコピーが必要になってきます。