自己破産

自己破産するとどうなるのか?メリットは?デメリットは?

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自己破産は債務者が自殺や夜逃げなどの最悪な行為を防ぐために、借金に悩む方のための最終手段です。国が認めた手続きを裁判所に申し立てて、裁判官や場合によっては、管財人の弁護士などを通じて行うことにより、借金をほぼなくすことができます。しかしながら、債務者の借金が帳消しになっても、債権者の負担は基本的に軽減することはできません。いわゆる "泣き寝入り" になってしまいます。債権者に迷惑をかけてしまう点は意識しなければなりません。

筆者が実際に自己破産をした経験から、自己破産に関して、今回はメリットとデメリットをまとめていきたいと思います。

合わせて読む:保証協会からの借金返済そして免除へ

 

メリット

 

借金がほぼなくなる

自己破産の大きなメリットの一つは、借金が "ほぼ" なくなる点です。完全になくなる場合もあれば、なくならない場合もあります。

 

ただし、借金の原因が「浪費」(ギャンプルなどで多額の金銭を使う行為)の場合、ケースバイケースで免責(借金が帳消しになること)を受けられない可能性がありますが、原則としてほとんどの債務者が免責に至ることが多いそうです。

 

しかしながら、「てるみくらぶ」という旅行会社が破綻したときに、裁判所に見つからないように現金を隠し持っている行為がありましたが、財産があることを正確に裁判所に申告しなければ、免責を受けることができません。この場合、免責は確定せず、裁判所から厳しい目で見られることとなります。裁判所には正確な事実をしっかりと報告しなければなりません。

 

自己破産した筆者の経験でも、借金がなくなったのは非常にメンタル的にも安心しました。ただし、借金が浮いた分、債権者に迷惑をかけてしまったという罪悪感もありました。それは、債権者は借金を帳消しにされ、大きな打撃を受けてしまったからです。

 

ただし、これは「免責」という「借金の返済が免除になった」結果になった場合のみ、借金は帳消しになります。免責が認められなくても、場合によっては長期的に借り入れ金に対して、返済を徐々にしていくなどと裁判所がしてくれる場合があるので、借金を少なくとも以前よりかはいい条件に持ってくることが可能です。

生活の範囲内で必要のある程度の財産は残すことができる

 

自己破産においては、持っている財産(家・車など)が換価され、それが債権者に平等に分配されます。それにより、借金の免責が認められるのですが、実際は生活に必要な財産を残すことができます。

 

原則として20万円を超える財産は換価されるのですが、現金99万円と、テレビや家具など生活に必要なものは残すことができます。最近では、パソコンの自由財産として認められることが多いそうです(あくまでも常識の範囲内の価格のもので)。

 

筆者の場合、高額なノートパソコンを仕事用に2台保有していましたが、自由財産の拡張(自分が自由に使える財産を増やす申告)の申立をしていたのにも関わらず認められず、ノートパソコンを1台1台、評価額を決められ、その評価額でパソコンを買い上げて債権者に按分することとなりました。

 

比較的、自由財産の拡張はなかなか通りづらいとのことですが、生活に関して必要なものであるなら、やってみる価値はあると思います。

 

差し押さえされなくなる

 

地裁などの裁判所でカード会社から訴えられ、カード会社の勝訴で代金を支払えという命令があったときに、債務者の給与や預金口座などから現金を差し押さえるというケースがあります。そのような差し押さえも、自己破産申し立てで止めることができます。

 

筆者も、実際に東京地裁で楽天カードから訴えられ、「代金を支払え」という判決が下ったケースもありました。その場合、給与の支払い先を債権者が知らない口座にするなどして対応していました。また他の方の場合だと、勤務先がわかっていれば、強制的に差し押さえができるようでした。

 

関係者との調整が楽

 

任意整理は債権者全員の同意がなければ、任意整理の手続きを踏むことができませんが、自己破産においては、債権者の同意などをなしに手続きを行えます。

 

債権者集会という集会が裁判所にて開催されますが、個人の破産において債権者集会に参加する債権者(カード会社など)はほとんどいないとのことです。

 

債権者集会に債権者が参加しない場合には、異議がないとみなされ、債権者集会は管財人(裁判所から選定された弁護士)と裁判官のやり取りが行われます。

 

費用が安価で、場合によっては弁護士の報酬の支払いを分割で行える

財産がほとんどない方の破産の場合、平均の額が35万円で請け負ってもらえる弁護士事務所がありますが、場合によっては、分割での支払いに対応してもらえる事務所もあります。

 

これは裁判所に申し立てを行うにあたって、自分自身の生活状況・債務状況・今後の見通しなどの証拠提示が必要です。煩雑な手続きなため、弁護士を通じて手続きされる方が多いと思いますが、煩雑な書類をまとめるだけで、比較的簡単に自己破産に至ることができます。

 

デメリット

 

就ける職業が制限される

自己破産ではメリットが大きいとされていますが、実は就ける職業が限られてきます。

 

具体的な職業は以下の通りです。

 

・弁護士

・弁理士

・司法書士

・土地家屋調査士

・不動産鑑定士

・公認会計士

・税理士

・行政書士

・通関士

・宅地建物取引士

 

自己破産をして免責許可が降りれば、復権も可能です。ただし、さまざまな事情で免責が認められなかったときには、破産宣告後10年経過すれば、原則として復権します。

 

これらの仕事に就く方の場合、勤務先に申告しなければならないので、自己破産の件を勤務先に知られてしまいます。

 

持ち家・マイカーなどを手放さなければならない

原則として、持ち家やマイカーは財産なので、処分しなければなりません。

 

持ち家やマイカーは、裁判所が指定する事業者の査定金額が債権者に按分されます。

 

また、「現金にして99万円を超える場合」「預貯金残高が20万を超える場合」保険の解約返戻金が20万円を超える場合も没収されます。

 

官報に名前が掲載される

自己破産をすると、官報に名前が掲載されます。

 

ただし、官報は毎日発行されているものであり、量も膨大で普通の人は読むことがないと思われるので、第三者に知られることはほとんどないでしょう。

 

連帯保証人に迷惑をかけてしまう

自己破産するデメリットの中には知られていないのですが、自己破産をすると、借金は連帯保証人に回されてしまいます。

 

多くの場合、親が連帯保証人になっていれば、親子で自己破産を行うケースが多いようです。

 

クレジットカード・ローン借り入れができなくなる

これは自己破産において大きなデメリットです。自己破産をすると、破産したという事実が信用情報機関に登録され、クレジットカードやローンを組むことはできません。

 

詳しく言うと、信用情報機関に自己破産の履歴が10年間保持されます。これは、信用情報機関に加盟しているクレジットカード会社・ローン会社が問題なく貸し付けができるのかどうか審査のために閲覧するので、自己破産したという事実がクレジットカード会社にわかってしまいます。

 

自己破産したという事実があるということは、借金の返済能力がないと見なされることが多いです。ローン会社によっては、連帯保証人をつければ申込みなどが可能ですが、ほぼ通らないと言ってもいいでしょう。

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