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信用保証協会とは?
中小企業は大企業のように信用が高くありません。ですので、銀行からの融資が受けにくいといった現状があります。そんな中で、この信用保証協会が間に入ることで、そういった会社も銀行融資を受けられるよう支援をしています。この機関が保証してくれるようになることで、貸す側の銀行も貸した分は必ず回収することができるので、融資を断る必要はなくなります。
もちろん、保証してもらったからと言って返済の義務がなくなるわけではありません。一旦は会社の代わりに銀行へ返済してもらえるというだけであって、会社側は今度はこの協会に返済しなければなりません。
いずれにせよ、このように信用保証協会は、中小企業の資金繰りにとって欠かせない存在であり、この機関から保証を受けられるかどうかは非常に重要な問題と言えます。
どんな融資で信用保証協会に保証してもらえるの?
まず1つ目が、「プロパー貸付」と言われる保証なしで直接銀行が貸し付けてくれるという方法です。しかし、この借り入れ方法は信用の低い中小企業には難しいと言えます。貸す側が資金の回収ができないことを懸念して、この方法では貸し付けてくれないケースは多いです。
2つ目が「小規模企業等振興資金」などの、信用保証協会の保証付きでの貸付方法です。この場合は、1つ目のプロパー貸付と違い、信用保証協会が間に入っていることで、金融機関からの融資が受けやすくなります。この「小規模企業等振興資金」には通常資金と小口資金があり、それぞれ対象になる企業や限度額には違いがあります。
企業の規模によって、通常資金か小口資金かに分かれます。
従業員が50人以下(商業やサービス業は30人以下)であれば、限度額が5,000万円の通常資金、20人以下(商業やサービス業は5人以下)であれば、限度額が2,000万円の小口資金となります。
信用保証協会の保証料っていくらぐらいなの?
まず信用保証協会の保証を受けるためには、申し込みをする必要があります。この方法には2つあり、直接協会に申し込む方法と銀行を通して申し込む方法です。一般的には、銀行を通して申し込みをすることが多く、銀行側が教会に保証を依頼してくれます。
この保証を受けるためにはこれ以外にも、保証料を支払う必要があります。この保証料は借り入れの金額や返済までの期間、その会社の業種や業績など様々な要素で変わってきますが、信用保証料率は年0.45〜1.90%の範囲で9区分になっています。
一括で返済する場合には貸付金額×保証料率×(保証期間(月)÷12)で計算することができます。
分割返済となると、さらに分割返済回数別係数をかけて計算することになります。
参考
例えば、500万円借り入れた場合には、保証期間1年で約6万円程の保証料を支払う必要があります。
この金額は保証料率によって変わりますので、これはあくまで一例となります。
信用保証協会に代位弁済されるってどういうこと?
信用保証を受けていても受けていなくても、借り入れた分のお金は返済する義務があります。しかし、信用保証協会に保証してもらって資金を貸し付けた時には、万が一借りた企業側がその返済をできなくなった時には保証協会が代わりに返済してくれます。
これが「代位弁済」で、この場合信用保証協会側が銀行に借金の全額を一括で代わりに支払ってくれます。これは、保証料を支払って借り入れたから、一旦立て替えをしてくれているのであって、その後は企業側が協会側に一括でその分を返済しなければならなくなります。
注意ポイント
この代位弁済が行われることで、債権は銀行から保証協会へ移ります。こうなると、銀行口座が凍結されたりと企業の信用度は下がってしまうのは否めません。
いくら公的機関だからと言っても、返済義務がなくなることは絶対にありません。何年でも何十年でも支払い終わるまでは督促があります。
代位弁済されることなく、借り入れた企業側がきちんと返済することが求められます。
信用保証協会はどんな雰囲気?どんな人が働いてるの?
信用保証協会は、各都道府県にあり地域ごとに中小企業の資金繰りを支援しています。中小企業が発展することによって、その土地も経済が発展します。ですので、信用保証協会で働く人はそんなサポート業務にやりがいを感じている人が多いと言えます。また、地元の企業を応援したいという地元愛溢れる人も多い傾向があります。
ポイント
信用保証協会は、公共性も高く社会貢献度も高い仕事内容であり、信用を扱う仕事ですので、人としての素質も問われます。
日々お客様に寄り添い、その活動や運営を支援することが主な仕事となります。ですので、主に人との関わりが多い仕事となり、その分コミュニケーション能力が問われるでしょう。雰囲気については、各地それぞれの協会ごとによって違いはあるとは思いますが、コミュニケーション能力が必要とされる分、ある程度は活気のある雰囲気であることが予想されます。
しかし、お金に関わるシビアな問題も扱いますので、毎日明るくということは難しいかもしれません。